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寂として - still time -
脳の障害により意識の消失を起こす私は、記憶の無い自己の存在を定義できずにいます。 現実も疑わしく感じられ「確かなものとは何か」という疑問が頭を埋めるのです。 この疑問を明らかにする方法が、木々を主とする生命に向けたネガポジ反転という技法でした。 力を放つ命の主張に思わずシャッターを切らされた。しかし、そんな自分はどこから来たのか。 技法により画像データが壊れ失われていく中でも確かに残ったものは、私を通して生まれた「印象」でした。 そして思わされる「自分とは何か?」 繰り返し襲ってくる問いの正体を知りたくて私は写真を撮り続けています。

鎮守天降る所 - grove of the village shrine -
離職したとき、自由への喜びは無かった。 積み上げたものは崩れ、残ったのは虚無な障害者。 だからなのか、森には通った。 山があって谷があり、転んでも一歩は進んでる。 そこには実感があった。 面前の世界は落葉一枚に意味があり、落葉一枚も欠けてはいけない美があった。 卑小な自分を許せたのだ。 それから、森の中で"命"を集めてる。自分が感じた世界を、自分だけの解釈で。 在るだけで美しく、僕を満たした。でも、少し欲が生まれました。 僕の足跡も循環の内にあるのかなって。 何かの足しになりたい。
一枚の落葉のように

In the Silence
何者にもなれない僕が、瞼の内側で見た景色。
静寂という騒めきの中で、沈黙が呼びかけてくる。
落ちていくような感覚の中で残った光でありノイズたち。
体感した記憶の記録集。
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